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【セミナー報告】同仁広大院長・中医師:今中健二先生「中医学におけるがんの考え方」

千葉県袖ケ浦市民会館において、4月21日(金)、同仁広大院長で中医師の今中健二先生による「中医学におけるがんの考え方」をテーマにセミナーが開かれました。その講演内容の概略を報告します。

講師:今中 健二 先生

同仁広大院長(中医師)

【経歴】
神戸市出身、中医師 中国江西省贛南医学院中医専攻。江西省新余市第四人民院医師。 2003年4月より同仁広大整体院(兵庫・神戸市)開設。現在は、大学にて医師や看護師をはじめ、 医学生に中国医学を教えている。鍼灸、按摩、漢方に精通しており、経絡を中心に考えた伝統的な中医学を 中心に教鞭をふるっています。

セミナー概要

◆中国医学におけるがんの考え方

がんを引きおこす食品とか、生活習慣でもこれを直せばがんにならないとか。
しかし、多くの方が同じ物を食べても必ずがんになるわけではありません。同じようなストレスでも、がんになる人とならない人がいます。
なぜでしょうか。街で言われている多くのがんの原因と言われているものは、実は原因ではないからです。

それらは皆、誘発素因であると考えます。
すなわちがんを引きおこす、きっかけの1 つと言うことです。

では原因はどこになるのか。
それはその方の体質です。

多くの方に理解していただきたいので、かみ砕いた表現にさせていただきます。
人間の身体は、血液や気、そして津液と言われる水分のようなものが流れています。それらは川の水のように滞ることなく流れていると、よどむことがありません。

それが停滞、滞留してその部位ががん化するとがんが発症するのです。

その停滞や滞留の原因は、陰と陽の偏盛です。どちらかに片寄るとおこりやすくなります。
冷えすぎても気の働きが阻害され、流れが悪くなります。
熱がこもりすぎても血や津液などの水分が乾燥し、停留します。
食べたものも同様で、食べたものが全てきちんと出て行けば大丈夫。
吸った呼吸が、吐く呼吸とバランスよく起こり、そして全身をくまなく巡ることができたら問題ないのです。

ストレスで色々ため込まず、イライラして身体に熱を生みすぎず。かといって無反応でも流れは低下するので時には興奮も必要です。

とにかく、身体も、消化器系統も循環器系統も呼吸器系統も生殖器系統も全て滞ることなく流れるとがんにはならないです。

その変調のきっかけが、色々言われているがんの要因です。
そこにこだわりすぎることなく、ご自身の身体の陰陽のバランスに気をつけてください。

これが一番のがん予防です。

◆中国医学における胃がんとは?

胃がんはかかりやすく、発見も多くされやすいがんの1 つです。
しかも、胃から病理が発生し、他の部位にもがんが出来ることもあります。つまりがんのもとになることも多い臓器です。少し中国医学的要素も交えて解説します。

人の身体は、今から1800 年くらい前の「傷寒雑病論」という本で、病気は胃から始まるという内容が書かれています。がんも同じです。胃は外部の影響を受けやすいです。

胃の病理は、大きく分けると2 種。陽のがんと陰のがんです。

陽は胃に熱がこもる時。胃や胃の経絡に熱が流れ注ぎ血や津液が乾燥します。すると固まりが出来てそれががんとなることがあります。この熱がくせ者です。経絡に沿ってのぼる と胸を通るので乳がんにもなりえます。食道も関係するので食道がんにも。咽頭がんや口腔がんも関係しているのです。さらに五行学説では、胃が影響を与えるのは大腸。
大腸ガンも関係します。これらは胃の熱が経絡を伝わって上部に逃げたために発生する恐れのあるがんです。ここを抗がん剤などで蓋をしたり、がんが進んで流れが阻害されたために胃に熱がこもると胃がんになったりします。

胃の熱は、食べ過ぎやお酒、味の濃いものの食べ過ぎ。ストレス過多からも来ます。さらに水分取り過ぎで消化不良を起こしても発生します。また、足の浮腫や冷えが胃の経絡を阻害しても上に内熱がのぼるということもあります。通常の生活からも引き起こしやすいのです。

もうひとつの陰の場合。寒と湿。それと虚というケースがあります。
寒と湿はともに流れを停滞させます。そして固まりを作ったり、組織が死滅したりします。
胃や胃の経絡は元々熱の多いので、あまり陰の影響を受けにくいかと思いますが、胃の中で食べ物の流れを停滞させ熱化することで、先に紹介した熱のがんの類似がんをひき起こします。湿熱のガンというタイプです。湿気や水疱を伴った熱が上部にのぼり、熱がひいてくると風呂場の天井の水滴の様に水の多い滞りを残してきます。場所は先ほどのところです。大きく腫れやすいのも特徴です。リンパに流れることもあります。

他にも胃が影響するところはありますが、代表的なものを紹介させていただきました。
これらの治療法としては、まずどちらのタイプかをきちんと診断し、まずはもとの胃を安 定させます。さらにガンの発生している部位の病理変化を改善しがんをなくしていきます。
これにより転移の危険性が大分下がると思います。

安直に冷たいものを採らなかったらいいとか、白いものを食べなかったらいいとかではないです。今の生活習慣がどの様な影響を身体に過度に与えているかを知ることが、重要ポイントなのです。(セミナー内容抜粋)