1. トップ
  2. 講演会のご報告

【講演会報告】成城松村クリニック・松村圭子院長「女性特有の症状から分かる病気」

4月24日(日)14:00より中野サンプラザ8F研修室4にて、成城松村クリニック院長の松村圭子先生をお招き致し「女性特有の症状から分かる病気」をテーマに講演会を行いました。

[講師:松村 圭子 先生]

成城松村クリニック 院長
専門分野: 婦人科
日本産科婦人科学会専門医

【経歴】
1995年 広島大学医学部卒業 広島大学医学部 産婦人科学教室入局
2010年 成城松村クリニック開院

【著書】
10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座
女性ホルモン 美バランスの秘訣
女性ホルモンでふわっと香る美人になる
40歳からの女性の不調にやさしく効く漢方の本
女性ホルモンがつくる、キレイの秘密

講演内容

「女性特有の病気」と言っても種類は様々です。子宮や卵巣のように女性しか持っていない臓器に発病するのが「女性特有の病気」と言う事で、女性のカラダの構造からお話頂きました。

女性の生殖器は妊娠・出産に関わるとても大切な器官です、ところが現代女 性は、初経が早くなる一方、初産が遅く出産回数の減少など女性ホルモンの大変動が有る為、カラダの不調を起こし易いと言われています。

◆美肌を引き出すエストロゲン(卵胞ホルモン)

卵胞ホルモン(エストロゲン)は女性らしさ、女性のからだの機能をピークにします。月経周期においては、子宮頸管の分泌液を増加させます。

エストロゲンの役割

  • コラーゲンの産生→肌にハリとツヤを与え、髪の成長を促してくれます。
  • 血管・骨の強化→動脈硬化・骨粗鬆症の予防、丈夫で元気でいるためのホルモンです。
  • 皮下脂肪の維持→女性らしい体にして、お産に対する準備をします。
  • 脳機能の維持→知的機能の維持、認知症の予防やリスクを下げてくれます。

◆妊娠をキープするプロゲステロン(黄体ホルモン)

黄体ホルモン(プロゲステロン)は子宮内膜や子宮筋などの調整を行います。(妊娠に関するホルモンです)

プロゲステロンの役割

  • 宮内膜肥厚・ふかふかにして・・・→妊娠の維持をします。
  • 水分調節作用→浮腫(むくみ)・乳房緊満感・頭痛などを緩和してくれます。
  • 皮脂分泌亢進→ニキビ、肌荒れなどから肌を守ってくれます。

※流産をすると、プロゲステロンはぐんと下がります。

女性の一生は、女性ホルモン(エストロゲン)の大きな影響を受けています。
特に40代後半から50代は、閉経を迎え更年期とも重なる為、ホルモンの急激な低下により自律神経の働きが乱れがちになります。

最近女性の罹患数で増えているのが、乳がん・子宮体がんです。

◆乳がんとは?

  • 女性がかかるがんの第1位:日本人女性の12人に1人がかかる。
  • 女性ホルモン「エストロゲン」が深くかかわる。
  • リスク因子:①初潮が11歳以下②閉経が55歳以降③初産が30歳以上
    ④30歳以上で出産の経験がない⑤40歳以上(リスクのピーク)
    ⑥家族に乳がんになった人がいる⑦良性の乳腺の病気になった事がある。
  • 症状:①乳房や脇の下にしこりがある②乳房や乳頭にくぼみやひきつれがある
    ②乳頭から血の混じった分泌物が出る(初期)
  • 8割は自分でしこりを発見:定期的に自己検診をしている人は、より小さい段階で発見出来る。
  • 早期の段階では、自覚症状がない:定期的な乳がん検診が大切である。

◆乳がん検診の受診と注意点

  • 乳がんの検診は、症状がない場合の定期的な検診のことを指します、万が一自己検診で症状がある場合は、検診ではなく、直ぐに医療機関へ受診する事が重要なポイントです。
  • 40歳以上は、2年に1回の視触診とマンモグラフィによる検診をしましょう。(家族性は、20代で検診が良い)

◆子宮体がんとは?

  • 最近日本人女性に増えているがんのひとつ:発症のピークは、50~60代だが、近年30~40代の子宮体がんが増えている。
  • 女性ホルモン「エストロゲン」が深く関わっている:エストロゲンの過剰刺激で子宮内膜増殖症という前段階を経て発症する。
  • リスク因子:①閉経前後②月経不順、無排卵③妊娠・出産経験が少ない④肥満⑤高血圧
  • 早期に不正出血が見られる事が多い:閉経後、更年期の不正出血に注意して婦人科で検診する事が大切です。
  • 決して治りにくいがんではない:病巣が子宮にとどまっている範囲で治療すれば80%以上は、治る事が期待できる。

◆子宮頸がん

  • 子宮頸がん全体の罹患率は減少しているが、20~30代の罹患率は約10倍になっている→若年者の性行動の変化とHPV感染が関連していると考えられる。
  • 子宮頸がん検診は、20歳から1年に1回の検診で早期に発見される。(無症状の前がん病変を見つける事が出来る)

◆卵巣がんとは?

  • 50~60代がピークだが、近年では30~40代でも発症率が高くなっている:排卵回数の増加が1つの原因と言われている(昔の女性の10倍の排卵有)
  • リスク因子:①母親や姉妹に卵巣がんや乳がんの人がいる。②妊娠・出産の経験がない、または少ない。③脂肪の多い欧米型の食生活が中心で、ストレスが多い(免疫力の低下)④子宮内膜症の卵巣チョコレート膿腫有
  • 初期には殆ど症状がない:症状が出た時には、既にがんが進行している事が多い。
  • 卵巣は、体の奥にあるため子宮頸がん検診のように直接細胞を採取して検査する事が出来ない:超音波での検診が大切になる。

講演終了後、参加者からの質疑応答を行いました。

Q:更年期症状の予防にエクオールというサプリメントが良いと聞きましたが、漢方薬とどちらが良いでしょうか?
A:食事だけでは、必要量を摂りきれないので、サプリメントを取り入れるのは良いと思う、但し食品だから作用の仕方には個人差が有り、自分に合うものを選択するのが良いと思います。
Q:子宮体がんの検診は、どのくらいの頻度で受けたら良いですか?
A:閉経前後からで良いと思います。但し不正出血があったら、直ぐに検査してもらうのが良いと思います。
Q:子宮体がんは、手術しても膣に再発などありますか?
A:がんにもタイプがいろいろあるので、再発もあり得ます。
Q:更年期症状のシグナルは、何かありますか?
A:生理不順・ホットフラッシュ・倦怠感・イライラ・疲れが取れない不安など・・・これらと上手く付き合っていけると良いと思います。

今回の参加者は、20代~80代迄と幅広い年代層の方においで頂きました、中でも50代の方々が一番多く関心は、やはり更年期や婦人科系のがんについてでし た。先生のお話を伺い「とにかく検診が大切」と強く感じました。