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【講演会報告】国分寺鈴木医院・鈴木徹也院長に聞く「主治医に聞きにくいがん治療」

がん治療における漢方の役割と食事療法による栄養摂取について

[鈴木徹也院長プロフィール]

順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部付属病院などで外科医として勤務。2006年、国分寺鈴木医院開設、院長を務める。外科医として長年にわたり、がん治療の現場に携わり、三大療法(手術、抗がん剤、放射線治療)だけに頼らず、統合医療としての代替療法、漢方療法をはじめ、食事療法を積極的に取り入れたがん治療を実践している。

講演会『主治医に聞きにくいがん治療』が開催されました。

講演会では、同法人の顧問医師である鈴木医院院長・鈴木徹也先生が、がん治療における漢方の役割から、がん予防、治療中の食事療法による栄養摂取で注意したいこと、実践したいことなどについてお話しされました。その概要をまとめて報告します―。

◆第一部

がん治療の基本とは

*がん治療の基本・発症
  • がんは生活習慣病である。
  • がんは全身の病でもある。
*がん治療の基本・治療
  • 3大療法(手術、抗がん剤、放射線治療)は、対症療法である。そのメリットは、即効性と時間稼ぎ。
  • がん治療の本質は、体内環境の整備である。がんを治せるのは自分自身。

がん治療における漢方の役割とは

  1. 漢方薬はBRM(Biolgical Response Modifier)=生体応答調整剤である、つまり、漢方薬は本来の弱った力を戻してくれる、生体の自律神経、免疫、内分泌を変化させることの出来る薬剤である。
  2. がんに対する宿主(人間)の自然治癒力を補助し治療効果をもたらす。

漢方薬・サプリメントの服用について

最初は多めに服用(3~4ヶ月)し、体調の変化を見ながら6ヶ月位で標準的な維持量に持っていく。

服用に関する働きの例として、車で例えると、車を動かすエネルギー(燃料)の「ガソリン」と、機能調節のオイル、冷却水などにあたる。
人間だと人の「食事(補助としてサプリメント)」と、生体機能調節(補助としてラドン、ホメオパシー、漢方等)を行う。

栄養摂取に関する「分子整合栄養療法」の役割とは

病気や老化は「細胞の栄養不足」からはじまり、私たちの体は約60兆個の細胞で構成されているほか、体は全て食べ物(栄養)という材料によって構成されている。

病気、炎症、老化は栄養不足が原因である。つまり、
  • 病気=細胞の故障
  • 炎症=細胞が激しく壊れている状態
  • 老化=細胞の衰え、数の減少

従って、至適な量の栄養を摂る事で、病気や炎症の改善、老化を防げる。

また、体の栄養状態を確認するため、血液検査の際にチェックしてほしい項目は以下の通りである。
  1. アルブミン(Alb)→4以上(栄養を運ぶ役割)
  2. ヘモグロビン(Hb)→12以上(吸った酸素を各細胞に運ぶ)

そのほか、食べ物をよく噛んで栄養素の吸収をはかるため、プラークコントロール(歯に付着したプラーク(歯垢)量を減らすこと)が重要である。定期的に歯科医院へ行き歯石などを取ってもらう。病気と闘っている人は特に必要。

◆第二部

食事療法で注意したいこと、実践したいこと

  1. 食事療法は、テーラーメイド(患者の個人差に配慮すること)である。
    人間の体はすべて食べたものによって作られているので、1人1人不足の程度が違う。

    腸内細菌のバランスの維持は、
    • 乳酸菌は乳製品ではなく、発酵食品から摂ろう
    • 植物性乳酸菌は、醤油、味噌、納豆、甘酒、糠漬けがベスト。
    • サプリメントを選ぶ場合は、漬物由来など乳成分を含まない植物性乳酸菌がよい。
    • グルテン(小麦粉製品)カゼイン(乳製品)を制限する。
    • がんの大好物は、急激に血糖値を上昇させる血液を流れるブドウ糖(血糖)であり、アレルギーを誘発し腸粘膜や全身に炎症を引き起こすほか、自律神経が乱れ、心身のバランスが崩れ、免疫力の低下となる。そのほか持続する炎症は、がんの増殖や転移を助長する。
  2. 良い油を摂ること

    良い油は、オメガ3(DHA・EPA)、オリーブオイル、ココナッツオイル、エゴマ油、しそ油、亜麻仁油である。

    悪い油は、トランス脂肪酸(マーガリン、植物油脂、サラダ油)である。

    オメガ3には体内の炎症を抑える効果がある。つまりがんの増殖を抑える。

  3. 食塩は摂らない・塩(天然塩)は摂る

    ミネラル豊富な海水塩や岩塩などの天然塩であれば、過敏に減塩する必要なし。

  4. β-カロテン(ベータ-カロチン)は、油に溶けやすく、水には溶けにくいという性質があるので、効率良く摂るには、油で調理するのがベストである。従って、ニンジンは油で炒めて良く噛んで食べるのが好ましい。また、野菜ジュースが好きな方は、ニンジンではなくキャベツ、ブロッコリー、パセリ、セロリの緑野菜を使うと良い。