がん検診受診率向上、カギは対象者の把握

無料サンプル・資料請求はこちらから

厚生労働省は3月17日、「がんに関する普及啓発懇談会」の第3回会合を開いた。会合では、がん検診の受診率向上のための取り組みなどについてプレゼンテーションが行われ、国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部の祖父江友孝部長が、検診対象者の把握が受診率向上のポイントと指摘した。

プレゼンテーションでは、祖父江氏が韓国のがん検診への取り組みを紹介した。

韓国では昨年、がん検診受診率が50.7%に達した。2004年の38.9%からわずか4年で11.8ポイント増と激増しているが、祖父江氏はその理由について、▽対象者に対する個人あての受診勧奨通知を出した▽国民への普及啓発活動を行った▽検診自己負担額を無料、あるいは低額に抑えた▽政府が強力な関与をした―を挙げた。中でも、「個人通知を対象者全員に出したということがポイント」と祖父江氏は指摘。韓国では保険を扱う機関が一本化されており、全国民をカバーしているため、対象者を容易に把握することが可能になっているという。祖父江氏は「対象者名簿を把握するということが第一。それがあってこそ、受診率が計算でき、受診者対策ができる」と述べた。

続いて、任意団体ディペックス・ジャパンの佐藤りか事務局長が、英国での「がん当事者の語り」による普及啓発を紹介。「ディペックス」とは、01年に英オックスフォード大で作成された「患者体験」のデータベースのこと。がんや心疾患など、さまざまな病気や医療の体験が集められており、2000人近い人々の語りが音声や映像として収録されている。昨年10月にはウェブサイトをリニューアルし、「ヘルストークオンライン」と名称を変更している。

この中では、がんの体験者だけでなく、検診受診者のインタビューも掲載されている。佐藤氏は「体験者の言葉で伝えられることにより、検診のメリットが鮮明に伝わる」「具体的なエピソードを紹介することで、検診の精度や結果の受け止め方への理解が深まる」など一般市民にとってのメリットと、「受診の動機、回避の理由が分かる」「受診者に提供すべき情報を明らかにできる」という医療者や行政側にとってのメリットがあるとした。

(「医療介護CBニュース」)

資料・無料サンプルはこちらから

ページのトップへ