国立がん研究センターの調べで「東京電力福島第Ⅰ原発から流出した放射性物質(放射能)による発がんリスクが出始めるとされる年間100ミリシーベルトを浴びた場合のリスクは、受動喫煙や野菜不足とほぼ同程度である」ということが分かった。この調査は、これまでの国立がん研究センターが所有する知見や、過去に発表された生活習慣と発がんリスクに関する論文などを集約し、広島・長崎の原爆で放射能を浴びた約9万4000人と、浴びていない約2万7000人について、約40年間にわたり追跡調査した放射線影響研究所が持つデータと比較・検討したもの。
がんになる確率が1.6倍に上昇し、原爆で2000ミリシーベルトを浴びた人の確率と同じ値であった。それに対し、喫煙者の夫を持つ女性(非喫煙者)が受動喫煙によってがんになる確率は1.02~1.03倍。野菜が不足がちな人のそれは1.06倍。これは、原爆により100~200ミリシーベルトを浴びた発がんリスク(1.08倍)とほぼ同じ値だった。
放射能による健康被害への不安が広がるなか、同センターは「日常生活にもさまざまな発がんリスクが存在する。むやみに放射能を不安がるのではなく、そのリスクを正しく理解してほしい」と呼びかけている。