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がん治療の方法【放射線治療】

放射線治療とは

放射線治療はがん細胞が分裂する遺伝子や、がん細胞そのものに対して働きかけを行う治療です。治療自体は、2週間から6週間程度の期間をかけて行います。そのため、治療効果が現れるまでに少し時間が必要です。放射線治療の副作用は治療の期間に出現する副作用や、治療期間終了後に現れるものがあります。半年から数年後に起きる副作用症状があるため、治療後も定期的に診察を受け経過をみることが大切です。

最近では手術や抗がん剤などとの併用での放射線治療が一般的になっています。手術と併用して行う場合には、切除する範囲を狭くするためや、再発予防、周囲への転移を予防することを目的として手術の前後に照射します。肝臓がんの場合は術中照射といって手術中に照射することがあります。また、骨への転移の場合には圧迫している神経の痛みをとるための対症療法の一貫として照射を行うこともあります。

がんの種類や範囲、進行の程度によって放射線治療の効果が異なります。放射線治療に使われる放射線の種類は複数あり、その種類や効果によって最も適したものを選びます。放射線治療というと、副作用を心配する人も多いでしょう。放射線治療の種類や治療部位によって、副作用の出現の程度や頻度、症状はそれぞれで違います。一般的には、船酔いのような気分の悪さや食欲が低下するなどがありますが、個人差も大きく、あまり苦痛を感じない人もいます。

放射線治療を行うかどうか、いつ行うか、どの範囲に行うか、どの治療を組み合わせるかなどについては、主治医と各診療担当医、放射線専門医との話し合いの上で決まります。できるだけ副作用の少ない範囲で、できるだけ効果のある治療を行うというのが放射線専門医の考えです。効果があると分かっていても、副作用で体力が落ちてしまっては肝心の治療を進めることができません。最近では、放射線によって出てくる様々な副作用を軽減するための薬(吐き気止めなど)を使うことで、少し楽な状態で治療をうけることができるようになりました。

放射線治療では、治療期間中から、治療後までその時期に応じて生活を整えることが必要となります。治療に対する不安や、日常生活に対する心配などは担当医や看護師に聞きながら対応することで、少しでもリラックスした状態で治療を続けることが大切です。

目的別の放射線治療

放射線治療は大きく4つの治療目的と効果を期待する治療です。

  1. 根治的照射
    根治的照射は、完全な治癒を目的としている治療で、遠隔転移(他の部位への転移)がないことが条件です。根治的治療による効果は比較的よく、がんの縮小や消失により改善することができます。治療期間は3週間から4週間かけて行うことが多いため、入院で経過をみながら行う場合と外来通院のみで行う場合があります。入院で検査を行ったのち、外来通院へ移行して経過をみるのが一般的です。がんの大きさが小さいほど、照射する量を増やすことができ、正常組織への影響を最小限にすることができるので、できるだけ初期に治療を開始できることで予後がよくなります。
  2. 予防的照射
    放射線治療に先行して、化学療法(抗がん剤治療)や手術による切除が行われます。がんの治療後に再発や転移を予防することを目的として行うのが予防的照射です。手術の範囲、がん細胞が残存している可能性のある周辺やがんが広がると考えられるリンパ節への治療が行われます。例としては、乳房温存術を実施した後に周囲に再発予防のために放射線を照射することで、再発率をさげることができます。また、放射線感受性が非常に高いセミノーマ(精上皮腫(せいじょうひしゅ))では比較的少ない照射量で効果があるため選択肢として選ばれます。多くの場合入院加療(手術など)に続けて行います。手術後の経過や抗がん剤の効果と合わせて定期的に検査を行い治療効果の判定を行います。他の治療との相乗効果で比較的効果が現れやすい治療ですが身体への負担もあるので注意が必要です。
  3. 補助療法的照射
    放射線治療のみを主体とせずに、他の治療法を組み合わせて効果を得る目的で行われるのが補助療法的照射です。手術前に行うことで切除の範囲を制限する効果や化学療法の効果を高めるなどの役割があります。補助療法照射は肝臓がんなどの術中照射、抗がん剤との併用などがあります。食道がんの治療として化学療法との併用は手術に匹敵する効果を得ることもあります。がんの大きさが大きい場合には化学療法でサイズを小さくしてから限局して放射線治療を行います。予防的照射と同じく、入院して経過を見ながら治療することが多い方法です。最近のがん治療の中では主流になりつつある治療方法です。高精度の放射線治療法では、良い治療成績の例もあり、積極的に組み込まれている治療法のひとつです。
  4. 緩和的照射
    緩和的照射の一番の目的は「生活の質をあげるために行う」ことです。他の治療は「治すこと」を目的としていますが、緩和的照射では症状を緩和し、日常生活を無理なく送ることができる状態を目指しています。主な治療部位は「骨への転移」です。周辺の神経組織への刺激により、日常生活が困難になることが多いので症状緩和の目的で行います。治療効果は終了後2週間~4週間の間にあらわれることが多いようです。その間は鎮痛剤などの併用により痛みの軽減を図ります。放射線に照射範囲が限られていますので副作用が少なく、体力の消耗も少ないため、ターミナル期の症状緩和として選ばれます。できるだけ照射範囲を少なく計画しますが、脊椎への照射の際、腹部が一部含まれることがあるため、下痢などの症状が一時的にあらわれる方もいます。

放射線治療を実施する主な疾患

放射線治療の対象となる疾患は多岐に渡っています。放射線治療の目的である根治的照射、予防的照射、補助療法的照射、緩和的照射のいずれかにあたるかという点を明確にしたうえで、疾患の種類、進行度、などから効果のあるものを選ぶ必要があります。ここでは放射線治療を行うことの多い疾患をいくつかご紹介します。

  • 肺がん
    肺がんの治療の場合は、放射線治療のみを行う根治的照射と他の治療を組み合わせる補助療法的照射、緩和的照射があります。早期の肺がん、進行した肺がん、痛みを伴っている肺がん(転移)それぞれの特徴によって使用する放射線の種類や治療期間が異なります。局所的に治療を行うため全身的な副作用は少なめです。
  • 食道がん
    食道がんの治療として、第一選択は手術による切除が選ばれることが多いですが、がんができている部位、範囲、周囲への転移、また年齢などによって対応が異なります。高齢者の場合などは手術による全身への負担を軽減するために放射線治療を第一選択にすることもあります。治療によりがんは縮小します。場合によっては抗がん剤と併用して治療を行うことで効果が高まることもあります。
  • 乳がん
    乳がんの治療法の主流は手術による切除です。放射線治療は手術後の再発予防のために行われることが多いです。特に乳房温存療法(がんの部分だけを切除する手術)の場合には周囲にがん細胞が残っていることがあるため、放射線治療を行います。また、再発や転移をした場合の治療にも放射線治療を行います。
  • 脳腫瘍
    他の臓器からの転移をしやすい場所に脳があります。脳腫瘍、脳転移の治療のために放射線治療を行います。腫瘍の縮小と、悪化(増大)の予防を目的としています。脳は小さな病変でもさまざまな症状や、生活に支障、障害が現れるので、治療部位の決定には細心の注意を必要とします。
  • 骨転移
    転移を起こす部位の中で特に痛みを伴うのが骨転移の特徴です。転移の場所へ治療を行うので根治的目的ではなく、患者の症状緩和目的として照射されることが多い治療法です。多くの患者さんが痛みの軽減を実感することができます。効果が現れるまでに2週間~4週間を必要とします。
  • 前立腺がん
    前立腺がんの治療の主流は手術やホルモン療法でしたが、放射線治療で根治が期待できる疾患のひとつでもあります。初期から中期、あるいは手術後の照射という形で治療を行うことが多いようです。

放射線治療の仕組み

放射線治療は、がん細胞のダメージに対する修復力の弱さ、細胞が傷つけられることで死滅するという特性を利用した治療法です。正常細胞が回復できる余力を残しながら、がん細胞にダメージを与え続けることでがん細胞の働きを弱めるものです。放射線治療を理解するうえで覚えておきたいのが「放射線感受性」です。

放射線感受性とは?

放射線治療を行ううえで効果があるかどうかの判定基準が「感受性があるかないか」です。この感受性は治療に対する「細胞の反応:効果の有無」でもあります。感受性が高いがんは治療の効果が現れやすく、感受性が低いがんは、より多くの治療を必要とします。
この感受性はがんの種類や細胞分裂の周期、放射線の種類などの組み合わせによって異なりますので、放射線治療開始前には、さまざまな検査を行い、総合的に治療計画が立てられます。

放射線感受性の高さと放射線治療効果の関係

放射線感受性が高い疾患(組織)には、リンパ組織、骨髄、卵胞組織などがあります。これらの組織は、細胞の分裂の頻度が高いため、効率よく、より多くの組織に照射することができるため、効果が出やすい組織だといえます、次に咽頭、口腔、食道、胃、膀胱、皮膚などが挙げられます。これらも細胞分裂が活発なため感受性が高い部位となります。 反対に、感受性の低い疾患(組織)は神経組織や筋肉、甲状腺上皮などがあります。感受性の低い組織のがん治療として単独で放射線治療が選ばれることは少なく、他の治療の補助、併用で効果を期待することができます。

細胞の分化度と放射線治療との関係

細胞の分化度とはひとつの細胞が分裂を繰り返すうちにいろいろな機能をもつしくみの程度のことです。がん細胞の成熟の度合いによって「未分化」、「低分化」、「高分化」に分かれます。分化度の低いものを「未分化」、「低分化」といい、活発に分裂、増殖します。増殖のスピードが速い分、進行が速い細胞ですが放射線治療効果のあらわれやすい細胞でもあります。

治療を行うときの指標として、細胞の分化度や細胞内酸素濃度が関係します。分化が低いほど悪性度が高く、治療の効果が出にくい貧血や低酸素状態の組織でも同じように効果がでにくいという点がポイントです。また、放射線の種類の項でも詳しく説明しますが、感受性と放射線の種類は密接な関係をもっています。放射線の種類によって組織を通過するときのエネルギー量によっても組織に与える影響が違うので、これらの要素も感受性に影響します。

放射線治療の種類

放射線治療の種類は、治療の対象となる疾患(組織)の感受性との関係で決まります。放射線の種類、照射方法、照射範囲、1回の照射量、治療期間などを「放射線治療計画」として患者個人に対して計画を行います。放射線治療の種類の一部をご紹介します。

  • 粒子線治療
    ガンマ線、エックス線、電子線といった一般的な外照射(外側から照射する方法)とは異なり、体の深くにある腫瘍(がん)までの位置を計測しその位置で最大の効果を与えることができる治療法です。腫瘍の部分に集中して効果を与え、その部分以外へのダメージを少なくすることができるとして注目されている方法です。高度先進医療の対象となっている部位に、頭頚部腫瘍や肺がん、前立腺がんなどがあります。
  • ガンマナイフ
    開頭手術をすることなく脳内の腫瘍(がん)に対してピンポイントで治療を行うことができるのがガンマナイフです。一点に集中して照射することが可能であるため、周囲への組織のダメージを抑えることが可能です。脳への照射の場合、照射後の組織の反応として浮腫(むくみ)を起こし、その浮腫によって重篤な後遺症を残す可能性があるため、照射範囲の選定には注意が必要です。手術が困難な脳の深部への照射として効果を期待できる治療法です。
  • 小線源治療
    小線源とよばれる粒状あるいは線状の放射線源を直接、腫瘍(がん)の中に差し込み内部からがん組織を破壊する治療法です。対象となる疾患には舌がん、子宮がん(腔内照射)、前立腺がんがあります。近年注目されているのが、前立腺がんへの永久挿入密封小線源療法です。前立腺がんは放射線治療に対する感受性が高いため、効果を得やすいという特徴があります。こちらでは直径約1mmのチタンのカプセルにI-125という放射性物質を密封し前立腺の内部に挿入します。永久挿入密封小線源についてはいくつかの制約があるため、適応は限られますが効果の期待できる治療法のひとつです。
  • 中性子線治療
    がん細胞、組織に集中して治療を行う方法のほとんどが「その部位に限局していること」が条件であるのに対し、中性子線治療は広範囲に点在、浸潤しているがん細胞の効果が出る治療として注目されています。正式名称をホウ素中性子捕捉療法といい、前もって組織にホウ素を取り込ませ、そのホウ素に反応する中性子を照射することで細胞の分化を促し感受性を高める治療法です。細胞のひとつひとつがターゲットになるため正常組織へのダメージを最小限にすることができます。多発性肝臓がんや胸膜内のがんの治療に有効です。
  • 術中照射
    放射線の治療に対して効果があると考えられても、深部である場合は周囲の正常細胞への影響を考える必要性が出てきます。術中照射のメリットは、手術で患部を切開し、腫瘍(がん)の部分に直接放射線治療を施すことができる点です。周囲へのダメージが抑えられることも特徴的です。放射線の外照射は少しの量を、時間をかけて(数日~数週間)行うことで有利に働きますが、そのメリットは1回の照射では得ることができません。すい臓がん、骨肉腫などが対象の疾患です。

放射線治療の費用

近年「がん放置療法」という言葉を見かけることが増えるようになりました。いろいろな悩みを抱えている患者にとって「がんを放置する」という選択は興味を惹くものです。がんの死亡率は年々増えているといわれていますが、高齢化社会が進むにつれて様々な病気の発見率が上がり、発症率や罹患率が上がるのは当然のこと。その中で必ずしも手術などの治療を行う必要はないという考え方です。

年齢に伴う死亡率の上昇などの条件を計算したうえで出される死亡率の中に「全がんの年齢調整死亡率」というデータがあります。そこでは、がんによる死亡率は減少しているとされています。これは早期発見により適切な治療を受けることができているからだというのがその根拠です。もちろん、対人口で考えた場合、人口数が増えているので数字的には増加しているということは否めません。

「全がんの年齢調整死亡率」が低下しているものには子宮頸がんと大腸がんがあり、検診と早期の手術による効果だと考えています。一方で、浸潤性乳がんや、前立腺がんの一部では、治療しないことによる進行や寿命には差がない症例もあるとされています。これらのがんについては手術をはじめとした治療効果には一定の範囲があり、予後へ与える影響が少ないものがあることもあり、治療をしたからといって著しく死に影響をしないと考えられている部分もあります。

進行しない「がんもどき(異分化細胞の腫瘍)」であれば治療をする必要はなく、どんな治療をしても効果がなく寿命を短くする可能性があるのであれば治療をせずに放置するのもひとつの方法ということのようです。実際には「がんもどき」という状態は存在しません。手術していれば、治療していれば完治する可能性が高かった「がん」を放置するということはおすすめしません。ただ、治療によって身体への負担は少なからず生じるので、状態に応じて考えるということは必要かもしれません。

放射線治療の副作用や後遺症

手術を行うときに全身に行う検査として転移がないかどうかを詳細に調べます。その上で手術を行いますが、1cm未満の極小の転移については100%の確率で見つかるとは限りません。そのため結果的にがんを取り残してしまうことがあります。また、開腹手術や開胸手術の場合には手術創が大きくなることもあり身体への侵襲、負担が大きくなります。その他にも手術する部位によって様々な問題点があります。代表的な部位別に問題点を見ていきましょう。

乳がんの手術後の問題

乳がんの場合、がんができている部位、がんを切除する範囲によって温存治療か全摘かというポイントがあります。全摘の場合は、乳房や胸筋肉、周辺のリンパ節などを切除するため、手術後の傷の大きさがトラウマになる人もいます。また、広範囲を切除するため腕の動きが悪くなったり、浮腫(むくみ)が出やすかったりという症状があります。

子宮頸がんの手術後の問題

手術の切開時の合併症として、周囲の組織や神経を傷つける可能性があります。尿路損傷、腸管損傷などによる排泄障害、性交障害、肝炎やイレウスなどといった手術後の合併症などが起こる可能性があります。

胃がんの手術後の問題

胃がんの場合は切除した範囲、大きさによって手術後の経過が異なります。特に胃の大部分を切除する場合や、全摘を行った場合などは食生活が大きく変わるため注意が必要です。消化のよいものはもちろんですが、一回の摂取量などにも注意が必要です。胃の切除後に現れる症状にダンピング症候群があります。冷や汗や動悸、腹部症状など程度は様々です。食事に気を付ける事で改善できる症状もあります。

一般的な手術後の問題

手術した創部の感染は、手術の方法、創部の大きさに関わらず起こりうるリスクがあります。創部の消毒などの衛生管理には細心の注意を払いますが、やはり100%回避することは難しい合併症のひとつです。近年は糖尿病などの持病を持っている方も増えており、その場合、感染症にかかりやすい状態であるということも理由のひとつに挙がります。
また、全身麻酔で手術を行った場合に起こる症状として多いのが、肺炎などの呼吸器の合併症です。特に高齢者に多くみられます。手術後は創部の痛みなどから「咳をする」「痰を出す」「深呼吸をする」といった、通常は問題なくできる動作を十分に行うことができません。結果的に痰などが蓄積、十分な酸素を取り入れることができないということになり、気管支炎や肺炎といった合併症が誘発されることとなります。

監修:孫 苓献
広州中医薬大学中医学(漢方医学)博士・アメリカ自然医学会(ANMA)自然医学医師・台湾大学萬華医院統合医療センター顧問医師

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